「博士の異常な発明」
めったに本など読まない私ですが、最近は通勤経路に本屋がたくさんできふらっと立ち寄ることも多く、また意外と最近は一般人が興味を引かれるようなものもおおいようです。
とはいえ今回読んだこの「博士の異常な発明」はふらっと立ち寄った本屋で買ったわけでもなくたまたま新聞に出ていた書評を読んで→読んでみたいと思った本をネットで検索しようと思い→でも正確なほんの名前は思い出せず→キーワードとして残っている”発明”という単語から検索したら出てきたという偶然の産物で発見した本です。著者は清水義範という人。何となく大学時代のオタクな友人に一度勧められた人のような気がします。
この本の内容を一言で言うとマッドサイエンティストによる大発明をおもしろおかしくばかばかしい短編をまとめているものです。
ペットボトルを一瞬で分解するポリクイ菌を発見培養に成功した老人の話では、最初はペットボトル限定で分解する菌だったためゴミ問題に対して画期的な発明ともてはやされるものの、そのポリクイ菌が様々な亜種を生み出し、石油化学製品がすべて分解され、最後は石油さえもなくなってしまうことになるのです。悲惨な話なのですが、その経過の描写ではポリエステル製の服が溶けてしまうので天然素材の服を着ていったら糸がポリエステル製だったのでバラバラになったとか、電気もコードがゴムで被覆されているからゴムが溶けたらショートして使えないとか、コンビニではカップラーメンのカップが溶けて面だけがころがっているとか、なかなか描写がおもしろいです。さらには発明者の老人は田舎の貧乏暮らしだから依然と全く変化のない生活を送ることができたというオチまでついています。
不老の体を手に入れた老人の話ではその発明が完成したのが80歳過ぎだったため、体力もなく視力も弱く、軽いボケも始まった状態で今後の人生を生きていかなかったりします。
私が一番笑えた10000年後の考古学会の話では、一度海底に沈んだ日本が再度浮上してきた時の考古学者たちの対談を再現した文章です。
●トチョーシャ(都庁舎)は神殿説!?
「海底に一万年近く沈んでいたのにこの建物だけは原型をとどめて発見されたのは、無駄にお金をかけてありえないほど頑丈に作ったからだ」とか
●東京は砂漠説!?「あなたがいればこの東京砂漠で歩いていけるだろうとかいう詩が発見されていますからねぇ」
●福岡で発見された吉野ヶ里遺跡と博多遺跡は同じ時代のもの!?「吉野ヶ里遺跡で発見された物見やぐらの柱と博多遺跡で発見されたコンクリート塊の年代がほぼ等しくなった」「キャナルシティーで発見された落書きに『王さんありがとうホークス日本一』というのが見つかりましたが、この“王さん”ってのは伝説だけで伝わっている卑弥呼のことじゃなかな?」
などといった具合です。そのほかにも話はあるのですがホントに漫画の感覚で読むことができました。
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